Recursiveの共同創業者 兼 代表取締役会長の山田俊勝が2025年9月30日に「Talk with Nature Business Founders 〜生物多様性に取り組むネイチャービジネスの最前線〜」に登壇しました。
本イベントは、生物多様性をはじめとする環境課題の解決を目指すリーダーたちが集い、ネイチャーポジティブな未来に向けた挑戦と、企業やスタートアップが果たすべき役割、テクノロジーの活用事例について議論を交わすばとなりました。
山田はセッションの中で、生物多様性の問題は環境問題としてのみ捉えるべきではなく、世界の経済の根幹を揺るがす喫緊の課題であることを強調しました。
実際、世界経済フォーラムの試算によれば、世界のGDP総額(111兆ドル)の半分以上にあたる58兆ドルが、直接的または間接的に自然資本とその生態系サービスに依存しています。この事実から、生物多様性の破壊は経済活動の基盤そのものを破壊させ、金融システムにも深刻な影響を及ぼしかねないという、極めて重大なリスクが浮き彫りになります。
自然資本の危機は、AIや半導体といったデジタル技術の発展にも深く関わっています。山田は、水資源管理と気候変動リスクの連鎖を具体例として挙げ、その関連性を考察しました。たとえば、大規模な森林火災が発生した場合、わずか約45日間でアメリカの年間CO2排出量に匹敵する量のCO2が排出される可能性があり、同時に多くの生物多様性に甚大な影響を及ぼします。これは、自然資本の損失が気候変動を加速させるという、負のフィードバックが働いている明確な事例です。こうしたリスクに先手を打つため、Recursiveは持続可能な林業を支援するAIソリューションを展開しています。パートナー企業と共に、熱帯泥炭地の地下水位を正確に予測するカスタムAIモデルを開発し、森林火災のリスクを最小限に抑えるためのタイムリーな介入を可能にしています。
さらに、現在、AIや半導体分野に莫大な投資が集まる一方で、その生産には大量の清浄な水が不可欠であることに注意を促しました。Recursiveと水資源管理に注力する企業が取り組んでいる事例への言及を通じて、「水がなくなれば半導体の生産は不可能になる」という、デジタル技術の発展と地球環境の調和が不可分であることを指摘し、「先端テクノロジーを発展させつつ、地球と調和していくことが非常に重要だ」と訴えました。
Recursiveは、このネイチャービジネスの進展において、AI技術の力を活用することで貢献していきます。
当社が提供する、業界ごとのニーズに応じた高度にパーソナライズされたAIソリューションは、企業が自社の自然資本への影響を正確に可視化・予測し、最適なソリューションの導入を支援します。特に、森林火災の早期検知や水資源の効率的な管理など、地球規模のリスクを低減するためのAI活用は、Recursiveのビジョンであるイノベーションの加速や生産性の向上という目標に不可欠な要素です。
Recursiveは今後も、AIを駆使し、経済活動の発展と地球環境の持続可能性を両立させる「ネイチャーポジティブ」な社会の実現に貢献してまいります。
Google DeepMindの元シニアリサーチエンジニアによって設立されたRecursiveは、各分野で世界レベルの人材を集め、成果へと繋げています。