「マーケターがAIを使いこなす為に」 |Marketing X Osaka 2023 イベントレポート
Event2023-04-28
2023年4月11日(水)、大阪国際会議場で開催された「MARKETING・X -23 Osaka-」にて、弊社のソリューションアーキテクト・金 祐廷(キム・ウジョン)が登壇、マーケティングにおいてのAIの活用方法と、最近話題のChatGPTに関してお話しいたしました。
このセミナーには、積極的にAIを活用している企業の方もいらっしゃれば、AI初心者の方も多くいらっしゃいました。本レポートでは、セミナーの中でお話しした「マーケティングでのAI活用事例」と「マーケティングでAI活用する上での課題と解決策」について、ダイジェストで紹介します。
マーケティングでのAI活用事例
セミナーにご参加いただいていたマーケティングの関係者の方のAI活用例を実際にお伺いしました。
1.「誰に」 マーケット探索及び定義 市場の規模やセグメントが未だにマーケターの経験やアイデアを元に定義されることが多い一方で、AIモデルの活用が進む企業では、顧客及びユーザーデータを解析し、潜在しているマーケットセグメントとそのトレンドをより効率的且つ正確に可視化及び分析してます。AIモデルにより、需要を予測し、不要なコストを削減や知らなかった顧客セグメントを特定など、更なる利益向上につなげているのです。
2.「どう」 マーケターから顧客・ユーザーへのコミュニケーション マーケット定義と同様に重要視されるのが、自社のブランディングです。どう自社をターゲットセグメントに見せたいのか、思って欲しいのかを定義し、適切なコミュニケーションを取ることがマーケターには求められます。AIを活用すると、過去の広告やメールの観覧データを元により効果的なコミュニケーション方法(チャンネル、時間帯、頻度、等)を特定することが可能です。
3.「何を」 コンテンツ制作 どういう潜在マーケットの中で、どう会社をブランディングしたいかを決めたのち、マーケターは何を届けるのかを決める必要があります。主に広告バナーや動画、ポスター、コピーライティング、メール、キャンペーン等がありますが、全ては、AIモデルで制作可能です。AIを活用すると、顧客データの分析と細部化された顧客セグメントを元に、ターゲットに合わせて最適な制作物を制作することができます。
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登壇中に参加者の方から挙げられた課題は、マーケティングに限らず多くの領域でのAI活用に見られる課題です。解決策はそれぞれの状況によって異なる側面もある一方で、共通する側面も多いので、ご参考までに一部の事例を説明します。
マーケティングでAI活用する上での課題と解決策
1. データの整備 データ活用したくてもそもそもデータがない、または、データはあるけど使える状態ではない、という課題を抱えている企業も多いです。こればかりは、「やるしかない」としか言えません。「Garbage In, Garbage Out」という言葉もありますが、ビジネス的に意味のあるデータを集め、入力データの質を改善していかなければ、アウトプットの質も低くなってしまいます。(つまり、Garbage in = ゴミデータをインプットしても、Garbage Out = ゴミアウトプットしか出てこない)。AI導入には必要不可欠なステップなのです。
2. データの精度 一番多く挙げられたのが、「AIを導入してみたけど、出力データの精度が低い」という課題でした。この課題の解決には、導入したAIモデルそのものの見直しや、運用の環境(社内体制など)の見直しなどいくつか検討すべきものがありますが、特に重要なのは、導入後のAIメンテナンスです。導入後の入力データ、モデルのチューニング等、メンテナンスが行われていない場合、ばらつき(出力データの分散)はそれほどないものの精度(出力データと真の値との近さ)が落ちたり、またはアウトプットの平均的な精度は高い一方でばらつきが大きくなるなど、さまざまな問題が起こり得ます。
3. AI活用文化の浸透 AIモデルは導入したものの、そもそも現場で使われない、という話もよくあります。主な理由は「使い方が分からない」、「データを信用できない」の二つ。両方とも、根本的には社内文化の醸成が鍵となりますが、今すぐ取り組める具体的な改善策は、BI(Business Inteligence)の応用です。BIとは、UXが加味された技術及びデータであって、誰もが使いやすく作られたものです。よって、BIを用いて、AIモデル・データヘのオンボーディングをよりスムーズに改善したり、AIモデルの出力データを用いた施策の効果を見える化することによって、AIへの信頼性を改善して、現場での利用を促進することが可能です。
いかがでしたでしょうか?みなさまの参考になれば幸いです。