AIエージェントとは?Recursiveではどのように構築しているのか
AI生成AIRecursive2025-01-20
「AIにおける成功は、最も高度なシステムを構築することではなく、ニーズに合った適切なシステムを構築することです。」
Anthropic社のこの言葉は、AI業界の現状を的確に捉えています。文章作成、デザイン、プログラミング、動画生成など、AIツールは日進月歩で進化し、その選択肢は膨大になっています。しかし、多様なAIツールが溢れる中、肝心なのは「このAIは、自社の収益にどう貢献するのか?」という点です。
本記事では、AIエージェントとは何か、ChatGPTのようなツールとの違い、そしてRecursiveではどのようにお客様のユニークなニーズに合わせてAIエージェントを構築しているのかについて詳しく解説します。
AIエージェントとは?
AIエージェントは、ユーザーに代わって自律的にタスクを完了するように設計されたシステムです。複雑な仕事を小さなタスクに分解し、最適なツールを使い、一つずつ解決していきます。これらのエージェントは、顧客サポートの改善から創薬の加速まで、様々な課題に取り組むことができます。
AIエージェントの中核には、大規模言語モデル(LLM)の高度な自然言語処理能力が活用されています。これにより、ユーザーの入力内容を段階的に理解し、状況に応じて外部ツールを利用するタイミングを決定することができます。
従来、ChatGPTのようなツールは与えられた質問に対し、一律の応答を生成します。しかし、AIエージェントは、単なる応答生成にとどまらず、ユーザーの意図を深く理解し、様々なタスクを自律的に実行する能力を持っています。この違いをより深く理解するために、以下の比較を見てみましょう。
AIエージェントの機能は?
例えば、マーケティングチームの新製品ローンチのキャンペーンを計画している場合、AIエージェントに
「新製品をローンチする際、どのようなキャンペーンが最も効果的でしょうか?どのようにリソースを配分すべきですか?」
と質問することができます。
このリクエストに対し、ChatGPTとAIエージェントがどのように応答するか、比較してみました。
1. ChatGPTの解答例
ChatGPTは与えられた質問に対し、学習済みのデータに基づいて応答します。上の質問に対し、次のような応答が得られます:
「新製品のローンチキャンペーンを最適化するには、市場トレンドと主要顧客層に合わせた戦略を立てることが重要です。典型的なリソース配分は、デジタルマーケティングに50%、イベントに30%、印刷広告に20%です。分析ツールを使用してパフォーマンスをモニタリングし、必要に応じて調整してください。」
ChatGPTの制限:
- 一般的なアドバイス:予算制限や過去のキャンペーン実績など、企業の独自データにアクセスできないため、具体性に欠けている
- 直接的な行動は実行不可能:外部のツールやデータベースと連携できないため、具体的な行動に繋がるような深い洞察を生成することは難しい
- 静的な応答:推奨事項は、トレーニングデータ内の事前定義されたパターンに基づいており、リアルタイムの市場状況に合わせて調整されていない
2. AIエージェントの処理方法
AIエージェントは、タスクへのアプローチが異なります。単にアドバイスを生成するのではなく、積極的に問題を解決し、行動に移します。
クエリをより小さく、実行可能な目標に分解する
- 内部売上データを分析し、顧客エンゲージメントのピーク時期を特定
- 競合他社のキャンペーンスケジュールや業界トレンドなど、市場動向を収集
- 自社のマーケティング予算記録や過去のキャンペーン実績にアクセス
- ROIモデリングを使用して、さまざまなリソース配分戦略をシミュレーション
複数のツールとデータソースを活用する
- 会社のCRMからインサイトを取得し、過去の顧客エンゲージメント傾向を特定
- 外部データベースを照会、競合他社のマーケティング活動を分析。
- デジタル広告、イベント、印刷媒体のさまざまな予算シナリオをモデル化し、予測されるROIを比較
- 他のエージェントと連携することも可能。例えば、財務計画エージェントが予算配分を検証し、会社の方針に沿っていることを確認
データ分析結果を統合した詳細な応答を提供:
「市場動向に基づくと、第2四半期のローンチがエンゲージメントを最大化すると予想されます。予算の70%を若い世代をターゲットにしたデジタル広告に、25%を主要地域の対面イベントに、5%を業界専門誌のスポンサー広告に割り当ててください。この戦略は、過去の平均と比較して15%高いROIもたらすと予測されます。」
リアルタイムデータを監視し、推奨事項を調整
キャンペーンが進行するにつれて、AIエージェントはリアルタイムデータを監視し、推奨事項を調整します。たとえば、デジタル広告のパフォーマンスが低い場合、イベントへのリソースの再配分や広告ターゲティング戦略の修正を提案する場合があります。
ChatGPTのような、一般的なアドバイスを提供するだけのツールとは異なり、AIエージェントはインサイトの生成から実行までの責任を負うことで、より包括的なソリューションを提供します。これにより、あらゆるステップでの人間の介入が大幅に削減され、リアルデータを基にした推奨が保証され、測定可能な成果を達成するための効果的な実行が促進されます。
Recursiveが開発したAI マーケティングエージェントをはじめとする独自のエージェントの詳細については、ソリューションページをご覧ください。
RecursiveのAIエージェントの利点
Johnson & JohnsonやeBayのような大手企業はすでにAIエージェントの変革力を認識しており、効率化とイノベーションを推進するために活用しています。今後、AIエージェントを導入しない企業は、時代に取り残されてしまうでしょう。
Recursiveでは、独自のエージェントプラットフォームを基盤とした、最先端のカスタマイズ可能なAIソリューションの構築に特化しています。RecursiveのAIエージェントが競合他社と一線を画す理由は以下の通りです:
- 高いカスタマイズ性
既製品をそのまま提供するようなことはしません。トップクラスの機械学習エンジニアチームが、お客様のが抱える特有の課題を理解し、常に進化している最先端の技術を活用し、具体的なな成果に繋がるソリューションを提供します。お客様にとって重要な指標が改善できなければ、私たちの仕事は成功とは言えません。
- より速い構築時間
開発期間を短縮できます。当社独自のエージェントプラットフォーム「Findflow」をベースに、お客様の業務に最適な設定に調整し、スムーズにシステム導入が可能です。すぐに業務に活かせるソリューションを提供します。
- コアデータの正確な取り込み
コアデータの取り込み精度が高いです。私たちのエージェントプラットフォームは、RAG(Retrieval-Augmented Generation)技術を用いて、お客様の社内文書などのデータを正確に収集・分析します。これにより、ハルシネーションを抑制し、正確かつ関連性の高い情報を生成します。
- 高いデータセキュリティ
高度なデータセキュリティと透明性を重視しています。独自のクラウドインフラ上でAIエージェントを実行することで、ベンダーロックインを回避し、お客様にデータの完全な所有権を提供。イノベーションを促進します。
- 多言語対応
多くのAIエージェントは英語の学習に大きく依存しているため、英語以外の言語を使用する企業にとっては大きな制限となります。私たちのプラットフォームは、英語と日本語の両方のデータで学習されているため、他の言語への微調整が容易で、グローバルなビジネスニーズに対応できます。
Recursiveは、AIエージェントを単なるツールはなく、企業の成長を加速させるパートナーであると考えています。一般的なAIツールが汎用的な機能を提供するのに対し、RecursiveのAIエージェントは、お客様のビジネスに特化し、高度なカスタマイズ性と効率性を提供します。
AIエージェントの事例は、こちらのソリューションページをご覧ください。また、ご相談をご希望の場合は、sbdm@recursiveai.co.jp までお気軽にお問い合わせください。
Author
マーケティング・広報担当
Alina Paniuta
ウクライナ出身のアリーナは、台湾の国立政治大学で国際コミュニケーションの修士号を取得しました。台湾で4年間マーケティングマネージャーとして働いた後、2024年にRecursiveチームに加わり、憧れの国、日本での生活を体験するために日本に移住しました。